学生の青田買いから青田創りに向かう企業の本音 「世界で勝てない!」日本企業の採用の焦り
実は、“答えを創る”のに不可欠なものがある。それが「目的」だ。何を実現したいのかという目的がなければ、何が正解なのかを判断できないからだ。たとえば、生成AIに質問すれば、答えは容易に返ってくる。しかし、それが正解かどうかを決めるのは、あくまで自分自身である。
つまり、“正解を創る”とは、突き詰めれば“目的を創る”ことに他ならない。今、企業が本当に求めているのは、自ら目的を立て、それを掲げて人を巻き込み、実現に向けて共に行動できる人材──いわば「目的に尖った人材」である。
筆者は、こうした目的に尖った共創リーダー人材を「エッジ」と「パーソン」を組み合わせた造語として「エッジソン」と呼び、その育成に力を注いできた。実際、企業の採用担当者からは、次のような声をたびたび耳にする。
「新興国の学生と話すと、彼らの目的意識や、それに基づく学習意欲や行動力の高さに驚かされる。日本の若者は、そのような熱量を持てているのかと不安になる」
なお、こうした危機感は、企業に限られたものではない。中央官庁も、エッジソンが集まりにくくなっていることに強い危機感を持っている。
このように、大企業や中央官庁など「世界と向き合うこと」が宿命づけられている組織ほど、その危機感は深い。特にこの5年でその切実さが一層強まっていることを感じている。
「エッジソン」は“探す”のではなく“育てる”
では、目的に尖った人材──すなわち「エッジソン」を採用するには、企業はどうすればよいのか。
筆者がこれまで、エッジソンの採用・育成に携わる中で、確信に至ったことがある。それは「エッジソン」を「探す」のには限界があるということだ。確かに、採用活動の中で理想的な学生と出会えることもある。
しかし、それは偶然に過ぎない。仮に同じ大学や研究室に翌年も訪問しても、再び同じような人材と出会える保証はない。偶然に期待するだけでは、企業の持続的な成長は見込めない。
では、探してだめならどうすればよいのか。答えは明確だ。エッジソンを自ら「育てる」ことである。実際に、筆者がさまざまな企業の採用担当者と問題意識を共有する中で、至った結論が、この考え方だった。


















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