なぜ最近はドラマや映画発のヒット曲が少ない? 「おしん」「もしもピアノが弾けたなら」の作曲家・坂田晃一さん語る《音楽に主張がなくなったワケ》

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昭和や平成のドラマや映画といえばキャッチーで、作品を象徴するような音楽がつきものです。なぜ、次々とそのような音楽が生まれていたのか。坂田さんはこのように分析します。

「当時、テーマ音楽と言えば、作品の冒頭に使われるのが一般的でした。オペラにおける『序曲』のように、『その作品を音楽で表現する』役割だったんです。だから作曲家は、作品の世界観を正確に把握したうえで作曲に臨まなければなりません」

最近はオープニング曲のないドラマも増えているので、時代を経て、その役割の変化が変わっていったことを感じます。

また、作品のどこに音楽を配置するのかも、作曲家の意思が充分に反映されていたとのこと。現在では、作曲家とは別の人が選曲することも多く、「作品」と「音楽」の距離が少しできてしまったと言えます。

最近、「このドラマといえばこの曲!」といった音楽の個性や強さが薄れてきたように感じるのも、そうしたことが要因であるでしょう。

坂田晃一さん
楽曲制作にはPCと電子キーボードを使用(写真:筆者撮影)

「音楽の役割」が変化している

楽曲のスタイルも様変わりしています。

最近の音楽の特徴でもある「タイパ(タイムパフォーマンス)重視」という側面です。動画も2倍速で見る人が増えたように、楽曲も数秒のイントロが待てないという人も多い現代。ヒットソングはあえてイントロをなくし、いわゆる「サビスタート」の楽曲が増えているのです。

「商業音楽を作る中で、『サビスタート』の楽曲を依頼されることもありました。ただ、昭和の時代ではイントロから入る楽曲が売れ、サビスタートの曲はあまり売れませんでしたね」

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