《ミャンマー軍事クーデター後の惨状》拉致、銃殺、胴体切開による拷問─非道すぎる軍を前に市民が貫いた「非暴力」も無力に…日本の対応は
では、この難題を実現するために日本は何をしているだろうか。外務省は、日本には「独自の役割」があるという。軍に厳しい態度で臨む人権派の欧米とは違い、日本はミャンマーとの関係が深く、国軍側にも民主派側にも意思疎通のパイプがある「特別な国」なのだと。つまり日本には双方を仲裁できるポテンシャルがある、というわけだ。日本のメディアもこれに追随し「独自のパイプ」を連呼している。
揺らぐ日本への信頼
しかし今のところ、そのパイプはまったく機能していない。特別な国からの呼びかけ虚しく、軍の弾圧は日に日に凄惨さを増しているが、日本は欧米と連帯して制裁を加えることもなく、「状況を見て判断する」と繰り返すばかりだ。いったいいつまで何の状況を見れば気が済むのか、とヤキモキしてしまう。
「パイプ」、つまり双方との対話ができるキーパーソンとして真っ先に頭に浮かんだのは、外務省きってのミャンマー通と名高い、ミャンマー大使の丸山市郎氏(2024年退任)だ。丸山氏はクーデター後、沈黙を続けていたが、ようやく2月20日にメディアの前に姿を現した。
その日、少数民族のデモ隊が日本大使館を訪れると、館内から出てきた大使が、デモ隊から書簡を直接受け取ったのだ。流暢なミャンマー語で「日本政府はミャンマーの人々の声を無視しない」と伝える姿に、ミャンマーの人々は喜び、私も安堵した。
だが3月8日、大使が、軍が任命した外相と直接会談したことが報じられた。外務省によれば、例の3点を直訴した、ということだが、ミャンマー国営紙には豪華な会談の写真とともに「日本との友好関係を強化するために意見交換をした」と掲載されていた。軍との対話そのものを否定する気はないが、仲裁どころか、軍の広告として利用されているではないか。



















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