テラスは中庭からの出入りもできる。開放的でありながら、柵と天井による絶妙なこもり感もあり、開きすぎず閉じすぎない感じがちょうどいい。
居間の後方の扉を開くと洗面脱衣室がある。洗面台の鏡は斜めに傾斜し、車椅子に座ったまま姿を映すことができる。洗面脱衣室はスペースが広く身動きがとりやすい。浴室とトイレにつながり、日常で利用しやすい設計だ。
「オリンピック選手村」時代の痕跡
この今井ニュータウンの住宅について、市営住宅の管理を行う長野県住宅供給公社の小野寺好且さんに聞くと、広さや間取りの多さが特徴のようだ。
「居間も、和室や洋室の個室も、部屋は広めにつくられています。間取りは複数あり、3DKなど種別が同じだとしても住戸ごとに異なります。公営住宅の多くは、左右反転させるシンプルな間取りが多いですが、今井の場合はバリエーションが多いですね」(小野寺さん)
居間の奥の引き戸を開けると、フローリングの洋室が現れた。
障子を通して光がやわらかく部屋に広がる。元は和室で、改修で洋室となった。障子とフローリングの組み合わせがなんともいい。
左側には押入れがある。実は押入れが作られたのは、大会終了後だ。大会中は宿泊室の広さを確保するため設置されず、備品として衣装ロッカーが用意された。他にも、ベッドやテーブル、イス、デスクランプなどが備え付けられたという。
暖房機器は、安全性と快適性から電気温水式ベースボードヒーターに。これらの備品は、経費削減とごみを減らすために、ほとんどはレンタルで調達された。
また、選手村では、室内は土足対応のカーペット敷きになっていた。仮設の間仕切りや、一部住戸で衛生設備を増設するなど、オリンピックの宿泊施設として仮設工事が施されていたのだ。



















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