このフロンティアを食いつぶすメカニズムとは、資本主義における「差で儲ける」メカニズムである。これが資本主義の根底の本質である。
その結果が、搾取となる。これは古代から常に存在するが(その意味で資本主義は常に存在するが)、このメカニズムが加速したのが「近代資本主義」だ。
この搾取メカニズムは複数ある。近代資本主義において登場した時系列順にいうと、第1に、大量生産による分業の利益である。産業資本による搾取だ。岩井克人東京大学名誉教授は、労働生産性と賃金の差額が儲けになると説明するが、それは結果論であって、より本質的な差は、従来の製品と新しい製品との価格差のほうである。
労働生産性が高いから、新しい製品は従来の製品よりも安く作られる。賃金を抑えて労働者を搾取しているのではなく、労働者には、従来と同じ時給、賃金を払っている。変わらない。変わったのは手工業から工場制機械工業になったこと。これにより変わったのは、資本および経営者の取り分と、消費者が購入する製品だ。手作りから大量生産品に変わったのに、同じような衣服ということで、同じ水準の価格を消費者に払わせている。つまり、搾取は消費者からなされているのである。
とりわけ、これを海外の消費者からの搾取として行われると大規模になり、かつより深刻な打撃を経済社会に与える。これは労働者の搾取ではなく、実は消費者の搾取なのである。とりわけ、海外の消費者からの搾取なのだ。
資本による搾取の本質は「時間差による搾取」
第2段階は、金融による搾取である。金融資本による搾取である。資本が利用可能な経済主体は一部に限られているから、つまり、資本は希少であるから、資本を貸し付けることによって儲かる。
しかし、これの本質は、資本による搾取ではなく、時間差による搾取なのだ。先に資本を蓄積したものが、まだ資本を蓄積していないが、資本を利用したい企業家に貸し付ける。先行者利益なのである。
しかし、これがもっと派手に行われるのが、大陸間の時間差、文明間の時間差である。先に工業化を実現し、本質的には質が劣るが、見栄えが良く、コストが安いモノを大量生産し、後進国の消費者に売りつける。
自宅で飼っていた鶏よりもコストの安いブロイラーの肉とレイヤー(卵量産用の鶏)の卵を売りつけるように、毛織物、綿織物、そしてコカ・コーラ、マクドナルドと押し付けていったのである。それはただのモノから文化(より先に堕落した“ススンダ”文化)まで広がり、エンタメ、スマホ、AIへと無限にその領域を拡大し続けている。


















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