2026年は変化の時代が終わり、すべてが変わり、「ついにAIが資本主義を滅ぼす年」になる

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この3つの搾取メカニズムは、形態は異なっているが、その本質はただひとつ。「時間による搾取」なのである。

産業資本を先に確立したイギリスが、大量生産メカニズムをまだ確立しきれていない世界を支配した。「先に」工場制機械工業を成立させただけである。金融資本を「先に」蓄積したということだけで、世界に資本が希少なうちに資本を「先に」世界に投下しまくった。そして、「先に」目新しいものを生み出す、イノベーション。この3つとも、時間先行だけから生じる利益なのである。

リターンはリスクから生じるというが、リスクは将来起こることであるからリスクなのであり、その意味でも、すべて「時間」の差がリターンを生み出しているのである。

ドイツの作家、ミハイル・エンデの名作「モモ」でいうところの時間泥棒とは別の意味で、時間(時間差)がすべての資本主義の利益の源泉であり、遅れている人々、世界から搾取するメカニズムなのである。

また、カール・マルクスは、その一部分、資本家と労働者の階級対立の部分にだけ注目したのであるが、資本主義においては、マルクスの認識よりも、もっと壮大で深遠な搾取が行われてきたのである。

インターネットとAI普及で近代資本主義は終焉を迎えた

しかし、この搾取メカニズムも終焉を迎えている。これが近代資本主義を終焉させる第2の力である。

第1のメカニズムのところでも述べたように、完全なグローバル化により、地域による「差」がなくなった。アメリカ資本主義的な意味での「差」はなくなった。こうなると、この3つの搾取メカニズムで述べてきたメカニズムはすべて成立しなくなる。世界に「時間差」は存在しなくなったのである。

これを最終的に決定づけたのは、正確に言えば、象徴的に見せつけたのは、インターネットとAIの普及である。インターネットで情報の差はなくなった。情報の価値は、「差」の価値、みんなが知らないことを自分だけが知っているという価値だから、情報の価値はなくなった。時間差の価値もインターネットでほぼなくなった。

そこへ、さらに、AIという人類の知能搾取により、人の人のあいだにおける知識格差が消滅しつつある。誰も自分で考えなくなり、AIに頼るということは、すべての人間の知識レベル、さらには知能レベルが同一になるということである。ここに、差による搾取メカニズムは働かなくなる。だから、近代資本主義も終焉するのである。

長くなりすぎたので、続きはまた来年(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が競馬論や週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬コーナー。有馬記念を「よりすばらしいレース」に
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