年始の仕事は「いつ休むか」決めること、繁忙期でもリーダーが休暇に…ドイツ人に学ぶ、がっつり休んで成果を最大化する"とっておきの仕組み"

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「来週から3週間、夏休みを取るよ」

さすがに私は仰天しました。プロジェクトはちょうど折り返し地点にあり、とても意思決定者が不在で進んでいけるとは思えませんでした。

休暇に入る直前、彼が軽い調子でこう言ったのを今でも覚えています。

「みんながうまくやってくれると信じているよ。何かあったら、お互いに助け合って乗り切ってくれ」

最後に付け加えられたことに、また私は驚かされました。

「あ、休暇中はメールをチェックしないから! チームを信じているよ」

これはミヒャエルだけではなく、ドイツ人一般に見られる習慣です。完全に仕事から解放されてこその休暇、というわけです。

しかし、当時の私の内心ではさすがに不安が渦巻いていました。「さすがに少々、無責任なのではないだろうか……?」

リーダーならどう判断するか?

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しかし、心配は杞憂に終わりました。それから3週間、メンバーたちはそれぞれに割り振られた役割を自信を持ってこなし、リーダーの不在を感じさせることなくプロジェクトは順調に進行していったのです。

メンバーは頻繁に意見を交わし、意思決定時には「ミヒャエルならどう判断するだろう?」と、彼の判断基準を意識しながらプロジェクトを進めていったのです。

私はここにドイツ流リーダーシップの真髄を見ました。彼らは、普段、ミヒャエルに意思決定を委ねている案件でも、主体的に考え、自分なりに根拠を持って判断することで、成長していたのです。

リーダーの役割はすべてを自分で抱えることではなく、メンバーを信じて任せ、成長させること。その象徴が、休むことで不在を作り出す、リーダーの「3週間休暇」だったのです。

西村 栄基 ビジネス書作家/ドイツ式リーダーシップ・コーチ

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にしむら・しげき / Shigeki Nishimura

国立大学理系修士課程修了。大前研一氏が学長を務めるBBT大学大学院でMBAを取得。自動車向け半導体部品を扱う商社で31年間にわたり欧州ビジネスに従事し、ドイツ駐在は通算18年。ドイツ企業の自律性と生産性の高さに衝撃を受け、日本企業における働き方と組織運営のあり方に問題意識を持つ。

30代前半での最初のドイツ駐在をきっかけに、成果と余白を両立する「ドイツ流の働き方」を日本の職場で実践。帰国後はMBA取得や脳科学・心理学・コミュニケーション領域への継続的な学びを経て、少数精鋭チームのマネジメントに活かし、残業ゼロ・有休消化率100%で高い生産性を実現する組織づくりに成功した。

2024年に初の著書『ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密』(すばる舎)を出版。日本的な「頑張り方」を手放し、自律と信頼で成果を出す働き方を提示した同書は話題となり、続編『ドイツ人のすごいリーダーシップ 上司が3週間休んでもうまくいく最高の仕組み』と合わせてシリーズ累計10万部を突破している。

現在は会社員生活を終えて独立し、ドイツ式の自律型組織・リーダーシップを軸に、経営者・管理職・プロフェッショナル向けの講演、企業研修、エグゼクティブコーチングを国内外で展開。「働くための人生ではなく、人生のために働く」をミッションに、日本と世界をつなぐ知の架け橋となることを目指している。

◎公式サイト→https://shigekinishimura.com/

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