クリスマスこそ同性同士?!「デートってなんか疲れる」と考える令和の若者たちの恋愛観

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もはやその場の空気に対処するのに精一杯で、相手のことは目に入らない。デート後も疲労感しかない。

そんな自分を容易に想像できるから、最初からデートしようとは思わない。

こうして、今の多くの若者たちにとって、デートや恋愛はメンタルを不安定にするリスクの塊と化していく。

この状況に対し、かつて六本木や横浜でブイブイ言わせていたあなたなら、きっとこう思うだろう。

「そんな失敗デートこそ、相手と急接近するチャンスじゃん」

「ダサいドライブとレストランこそ、一生の思い出になる」

しかし令和の若者にとっては、失敗するリスクを冒してまで頑張るほど、異性交流の魅力は高くない。

居心地がいいのは同性同士

博報堂生活総合研究所が2024年8月に出した、「若者30年変化」という調査レポートがある。その名の通り、30年前の若者と今の若者を詳細に比較したものだが、1994年と2024年の若者では、驚くほどの差が生まれているのだ。

例えば、「落ち込んだときに一番そばにいてほしい相手は?」という問いがある。

1994年当時の若者たちは、「異性の一番の友だち」を挙げる人が最も多かった。率でいうと55.9%。他方、「同性の一番の友だち」を挙げた人は36.0%にとどまった。

これが2024年になると、数値は大きく逆転し、「異性の一番の友だち」を挙げた人は16.0%で、「同性の一番の友だち」を挙げた人は55.6%に上る。

同様に、「自分にとって居心地のいい組みあわせは?」という問いでも同様の逆転現象があり、同性同士の居心地のよさが異性とのそれを圧倒する結果となっている。

居心地がいいのは同性同士で、へこんだときにそばにいてほしいのも同性。

このようにして、同性同士の絆を深めながら若者たちは楽しく暮らしている。

「クリスマスなのに、彼女いなくてかわいそう」「本当は異性と一緒がいいけどやむなく同性同士で寂しく過ごしているんだな」と考えるのは完全に上世代のバイアスだ。

若者たちは自分のことをかわいそうなどとは全く思っておらず、むしろ自分のコントロール可能な範囲で幸福度を上げる方法を知っている。そういう意味でまさに「無敵」なのである。

金間 大介 金沢大学融合研究域教授、北海道医療大学客員教授

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かなま だいすけ / Daisuke Kanama

北海道生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科物理情報工学専攻(博士(工学))、バージニア工科大学大学院、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、文部科学省科学技術・学術政策研究所、北海道情報大学准教授、東京農業大学准教授等を経て、2021年より現職。専門はイノベーション論、マーケティング論、モチベーション論など。若手人材や価値づくり人材の育成研究に精力を注ぐ。大手企業のほか、医療機関や社会福祉法人との連携も多数。主な著書に『先生、どうか皆の前でほめないで下さい――いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)、『静かに退職する若者たち』(PHP研究所)、『ライバルはいるか?』(ダイヤモンド社)など。一般社団法人WE AT副代表理事、一般社団法人日本知財学会理事も務める。

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