年末年始を楽しみつつ"正月太り"を防ぐ3つのコツ。「睡眠不足でカップ麺1杯分」「体重増からの絶食はむしろ逆効果」の怖い真実【医師が解説】

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大晦日の「年越しカウントダウン」、三が日の「昼まで寝る」という行動は、多くの人にとって恒例行事でしょう。しかし、体内時計から見ると、これは「海外旅行をして時差ボケになった」のと同じ状態です。

最近の疫学研究では、平日と休日で睡眠・生活リズムが乱れる「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」が、BMI(肥満度)や腹囲の増加と関連することが示されています。

「平日は7時起床」「休日は昼過ぎに起きる」というように、平日と休日の起床時刻がずれればずれるほど、ソーシャル・ジェットラグがひどく長びきます。

夜遅い時間など、本来寝ている時間帯に食事と摂ると、基礎代謝を低下させ、同じカロリーを摂っていても、より内臓脂肪がたまりやすくなります。結果として、BMIや体脂肪率、腹囲などのメタボに関する指標が悪化してしまうのです。

睡眠不足は「肥満の元凶」

睡眠時間の長さも重要です。

寝不足の日は何となく食欲があって、いつもより食べてしまう……そんな経験がある人も多いと思いますが、実際、睡眠時間が短い人ほど体重が増えやすいことがわかっています。

意図的に睡眠時間を制限した研究では、睡眠不足がある人ほど過食傾向となり、1日あたり平均で約380キロカロリー摂取量が増加することが報告されています。これはおにぎり2個分か、カップ麺1杯分に相当するエネルギー量です。

なぜ睡眠不足になると過食しがちなのでしょうか。その背景にあるのは、ホルモン分泌と食べ物への嗜好の変化です。

まずホルモン分泌に関していうと、睡眠時間が短い人では「満腹シグナル」を出すレプチンというホルモンの分泌が少なくなり、反対に「空腹シグナル」を出すグレリンというホルモンが増えます。そのため、より満腹感を感じにくくなり、ついつい過食してしまいがちになります。

嗜好の変化については、次のようなことがわかっています。

睡眠不足の人が「高カロリーで不健康な食品」の写真を見ると、脳の扁桃体や前頭葉、島皮質など、報酬や快楽に関わる脳領域が強く反応し、前頭前野のブレーキ役はむしろ働きにくくなることが、機能的MRIを用いた研究で示されています。

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