植田日銀、追加利上げの余地はなお大きいとも示唆/利上げ再開後の行程はまだまだ長く、鍵を握るのは植田氏による次の一手とそのタイミング

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(写真:ブルームバーグ)

日本銀行が政策金利を30年ぶりの高水準に引き上げた。ただ、デフレと低成長に長年苦しんできた日本経済の「復活」としてその節目を祝うようなものではなく、植田和男総裁は依然として金利が低水準であることに留意するよう求めている。追加利上げの余地はなお大きいとも示唆した。

鍵を握るのは、植田氏による次の一手とそのタイミングだ。昨年前半以降4回の利上げを実施した後でも、借り入れコストは他の主要経済圏と比べてまだかなり低い。

今回の利上げで政策金利は0.75%となったが、米国との金利差は特に大きく、これがしばしば円安の要因として指摘されてきた。植田氏は今回の動きを引き締めと呼ぶことに慎重で、政策は依然として緩和的だと強調している。

同氏はこれまでも強気の発言をしながら、市場の反応や政治的反発を受けて後退した例がある。

2023年の総裁就任当初からマイナス金利や大規模量的緩和といった超金融緩和の時代に終止符を打ちたいと考えていた植田氏だが、実際の行動は慎重そのものだ。

今回も利上げが見送られても、不思議ではない局面もあった。トランプ米大統領による関税措置で市場が動揺した今年5月、世界的な景気減速への懸念が強まる中、植田氏は追加利上げには非常に高いハードルがあるとのメッセージを発した。

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