会議が大炎上…「説明しても理解できます?」説明責任を放棄した《技術責任者》の根本的な勘違い

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AI時代に仕事と呼べるもの
技術者や専門家が、素人にはわからない説明をしてきたら、その場でAIに聞けばよい(写真:amadank/PIXTA)
「専門的なことなので、説明してもわからないと思いますよ」
難解な専門用語を並べ立て、このような捨て台詞でけむに巻こうとする。あなたの組織にも、そんな「専門性の隠れ蓑」に逃げ込む社員はいないだろうか。
これまで、知識を持たない側は彼らに沈黙させられるしかなかった。しかし、新刊『AI時代に仕事と呼べるもの』の著者・三浦慶介氏は、AIの普及によって、その隠れ蓑は通用しなくなると断言する。
本記事では、同書から一部抜粋・再構成し、専門知識を悪用して保身に走る人々が直面する残酷な未来と、非専門家が手にする「最強の対抗策」について解説する。

「説明しても、理解できるんですか?」

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「あれにはさすがに腹が立って、我慢できなかった」

あるベンチャー企業の幹部社員A氏は、当時のことを思い出してヒートアップしていた。それは、ある経営会議での出来事だ。

自社のシステム開発が予定より大幅に遅れており、経営としてどう対応すべきかを議論していたときのことだ。事業開発担当であったA氏は、なぜ開発が遅れているのか、その理由を技術責任者に尋ねた。

すると、予想外の回答が返ってきたのである。

詳しく説明したところで、理解できるんですか? アーキテクチャの依存まわりでメモリリークが起きていて、さらにサーバの行レベルセキュリティ実装とスレッドの扱い方についての難しさがあるんですけど……説明してもいいですけど、意味ありますか?」

その瞬間、会議室の空気が凍り付き、A氏は激怒した。

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