ところで60代の私が多くの人たちの人生を振り返り、あなたに申し上げたいことがあります。子育てをしている最中は、母親にとって家族が一番の比重を占めるものです。しかし、子育てを終了してからが、ある意味で本当の自分自身のための人生が始まります。大好きな趣味と出会った人や趣味が多い人、心が柔軟な人や世界観が広い人、そして仕事に頑張る人など、地に足が着き、自分をしっかり持っている人ほど良い仲間に恵まれ、楽しく充実したその後の人生を歩んでいるように思います。
伴侶と死別したり、離婚したりした瞬間には、もう生きてはいけないと嘆き悲しんだ人も、いつまでも泣いているわけではありません。悲しみが消えることはないでしょうが、時の流れが別の癒しや楽しみをもたらしてくれるものです。
それなりに立ち直り、信じられないほど再び輝く人はたくさんいます。ご夫君との関係が修復されなければ、もはやあなたが幸せに暮らすことはできないと考えるのは、大きな間違いなのです。
安住できない一軒家か、安住できるアパートか
もう人生で幸せは望めないし、いつ死んでもいいとあなたは思い詰めておられます。しかしそれでいて、1年半帰ってこない夫を、自分も顔を見ずに済むからそれはよいとも書かれています。これは正直ではないように思います。
もうすぐ社会人になる息子さんが二人もいるのですから、本当に夫が嫌いなら、夫との不仲で死にたいとは思わないはずです。夫がいて初めて自分の人生があると思っておられる発想の基準の転換をお勧めします。
ここまでは離婚は避けられないというお話を進めてきました。しかし、何をしてもプロ級で、4年半も猛アタックされて結婚した夫の魅力を十分にご存じのあなたの本心は、離婚ではないと感じました。
家周りの自転車置き場の屋根などは、大工さんに頼めば数万円で補強してくれます。屋根の修理をお願いするのではなく、素直に、帰ってきてほしいというべきなのです。なんでしたら自分から赴任先へ出向き、彼の考えや言い分を、あなたが安心できるまで聞き、折り合い点がみつかるまで話し合うべきです。
その際は、彼のウソも誠意のうちという寛容さが必要です。あなたの想像しすぎで、必要以上に夫を疑った点が判明すればそれを詫び、お姑さんへの非礼も、その未熟さを反省し、詫びる方が良いと思います。彼は卑怯ですが、こうしたこじれた状況になっていることも帰りたくない事情のひとつだと思います。
それでもなお、息子が独立するまでの2年間で誠意が感じられなかったら、いよいよ夫君のいない人生を選択するべきです。義母にも原因があるにせよ義母を無視し、帰らぬ夫のことをあれこれ想像しながら安住できない一軒家にしがみつくのはよくありません。安住できる賃貸アパートのほうが、ずっと人生に希望があると思いませんか。
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