4.『東大の良問10に学ぶ日本史の思考法』
「東大の入試問題」と聞くと、それだけで身構えてしまう人も多いと思いますが、実は東大の問題は「知識量を試すテスト」というより、「どのように頭を使うか」を測るテストになっています。
この本は、日本史の東大入試問題を題材にしながら、「良問」と呼ばれる10題を通じて、歴史を“覚える”のではなく“考える”ための思考法を解き明かしていきます。
東大の先生たちは、単に年号や用語を知っているかどうかではなく、受験生が「なぜそうなったのか」「別の可能性はなかったのか」と、自分の頭で因果関係を組み立てられるかどうかを見ています。
そのための問題文の作り方、資料の提示の仕方、問いの立て方には、実はかなりの工夫が凝らされています。
本書では、それぞれの問題について、「出題者はどんな思考プロセスを期待していたのか」「どこで差がつくのか」を丁寧に解説してくれます。読者は、東大受験生になったつもりで「自分ならどう答えるか」を考え、そのあとで解説を読むことで、「ああ、こういうふうに発想を広げたり、絞ったりすればよかったのか」と、自分の思考パターンのクセに気づくことができます。
受験生だけでなく、大人にとっても、「与えられた情報から筋道を立てて考える練習」として非常に有効です。
ニュースを読むとき、仕事で資料を読むときにも、「もしこのテーマが東大入試の問題だったら、どんな問いが立てられるだろう?」と考えてみると、情報との向き合い方が変わってきます。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら