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ライフ #井手隊長のラーメン見聞録

牛丼の「松屋」、《ラーメン業界の"横綱"つけ麺店》買収の衝撃! "自前で育てる力"に長けた松屋フーズが大御所ブランド買収で描く新たな"勝ち筋"

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  • 井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン
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ラーメンは料理として見れば、再現性は高い。スープも麺もセントラルキッチン化は十分に可能で、大規模展開にも向いている。しかし問題は、味そのものよりも「ブランド」だ。

日本のラーメン市場は成熟しきっており、消費者は単に「美味しい」だけでは動かない。どんな歴史を持ち、どんな思想で作られてきた一杯なのか。そこに物語がなければ、熱狂的な支持は生まれにくい。この点で「六厘舎」は、圧倒的な物語性を持つブランドである。

「六厘舎」は長らく独自性を保ってきた

「六厘舎」は『濃厚豚骨魚介つけ麺』という一大ブームの火付け役のひとつだ。2000年代後半、「つけ麺」というジャンルを一気にメインストリームへ押し上げた存在であり、その影響力は計り知れない。

「六厘舎」の『濃厚豚骨魚介つけ麺』。ファンが多く、店前に長蛇の列ができることも(写真:筆者撮影)

ほぼ同期には「つけめんTETSU」や「つじ田」といった名店があり、彼らもまたつけ麺文化を支えてきた。ただし、これらのブランドは比較的早い段階でM&Aを選択し、拡大路線へ舵を切っている。

一方の「六厘舎」は、長らく独立性を保ち、ブランドの価値を守り続けてきた。だからこそ、今回の買収は“横綱がついに動いた”という印象を強く与える。

これは「六厘舎」個別のニュースであると同時に、つけ麺というジャンルそのものが次のフェーズに入ったことを示す出来事でもある。

「六厘舎」にはおみやげを売っている店舗も(写真:筆者撮影)

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【姉妹ブランド「舎鈴」の存在もカギ】

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