牛丼の「松屋」、《ラーメン業界の"横綱"つけ麺店》買収の衝撃! "自前で育てる力"に長けた松屋フーズが大御所ブランド買収で描く新たな"勝ち筋"

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そうした流れの中で、松屋フーズがここに参戦してきたことには、率直に言って驚かされた。

というのも、松屋は“自前で育てる”ことに成功してきた企業だからだ。

松屋
松屋がついに大きな勝負をしかけてきた……! なぜ買収に踏み切ったのか(写真:筆者撮影)

とんかつは“自前”、ラーメンは“買収”の面白さ

代表例がとんかつ業態「松のや」である。牛丼チェーンのサイドビジネスではなく、専門店として成立させ、いまや松屋グループの重要な収益源に育て上げた。商品開発、オペレーション、価格設計、出店戦略――そのすべてを自社で組み立てる力を、松屋は持っている。

実際、ラーメン分野でも「松太郎」などの自社ブランドを立ち上げ、試行錯誤を重ねてきた。それだけに、いよいよラーメンも本腰を入れて育てていくのかと思われた矢先の、「六厘舎」買収だった。

ここが実に面白い。とんかつは自前で育てた松屋が、ラーメンではあっさりと“買収”を選んだ。

この判断には、ラーメンというジャンルの難しさを知り尽くした、松屋らしい現実主義が透けて見える。

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