「お金」まつわる漠然とした不安。"困窮しているわけではないのに将来が不安"なのはお金の問題ではない。そのしくみと対応法

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わたしは、自分よりずっと裕福な人をうらやましがらず、動じない人が好きだ。

彼らはお金を追いかけないけれど、不思議なことに、お金のほうが彼らについてくることが多いし、彼らのまわりには自然といい人が集まる。

お金を引き寄せる人の品格とはこういうことをいうのだろう。

他人と比べると不安になる

アメリカのある調査によると、自分は年に11万ドル(約1500万円)をもらって、ほかの人は20万ドル(約2800万円)をもらう世界と、自分は11万ドル(約1500万円)をもらって、ほかの人は8万ドル(約1120万円)をもらう世界のうち、どちらを選ぶかという質問に、ほとんどの人が後者と答えたという。

ほかの人よりも自分が恵まれているという満足感を得たいからだ。

ところが、他人と比べてしまう気持ちはそれだけでは終わらない。

友人がブランドのバッグを買えば、それがうらやましくて自分も無理をして購入するようになるし、友人が高級車に乗っていれば、借金をしてまで自分も買うようになる。ほかの人が投資で儲けたと聞くと、自分も投資をはじめなければと焦ったりもする。

その結果、お金を貯めるどころか、借金の返済のために仕事をすることになる。

これに関して、哲学者のショーペンハウアーは「我々の不幸はほとんど他人を意識することからはじまる」と皮肉っている。

問題は、このことをわかっていても、他人と自分を比べるという落とし穴にはまらないようにするのは、とても難しいということだ。

不動産や株の投資にまったく興味がなかった人でも、毎日のように株やマンションの相場が上がったというニュースを耳にしていると、興味を持ちはじめる。誰かが大儲けをしたという記事を目にすると、自分が損をしたような気がして落ち込んでしまう。

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