「最寄り駅から徒歩34分」で廃墟化…バブルが生んだ「ハマの廃墟モール」の現状と、滋賀の「明るい廃墟」が復活できたワケ
「ピエリ守山」は近隣競合と比べて店舗数が多かったにもかかわらず、競合に負けて客足が遠のいた。琵琶湖を生かしたリゾート路線により差別化を図っていたが、目玉の1つであった遊覧船も開業からわずか1年でピエリ守山港への寄港を中止した。
2つの廃墟モールに共通する課題
「ピエリ守山」が競合に負けた要因の1つは、アクセスの悪さだ。JR琵琶湖線の駅から約10キロ、JR湖西線の駅から約3kmも離れており、車で行くにも琵琶湖大橋の通行が有料とアクセス面に課題があった。
2010年9月に、核テナントであったスーパーのバローが撤退。2010年10月には、施設を開発した大和システムが資金難に陥って倒産し、テナントの退店が続出した。
2011年9月末には、駅とつながる路線バスが利用者の減少を理由に廃止された。2012年1月に三重県の建設会社kodo.ccへ施設が売却されたが、このとき約180店舗あったテナントは約70店舗にまで減っていた。
kodo.ccも施設を再建できず、店舗数はさらに激減。翌年2013年に、不動産会社サムティなどに買収された。2014年2月に一時閉鎖したときには、4店舗しか営業していなかった。
「マイカル本牧」と「ピエリ守山」に共通するのは、“観光地に近いリゾート立地”でアクセス面の課題をカバーしようとしたことだ。いくらリゾート感があっても、他にアクセスしやすく魅力的な競合施設があればそちらに人が流れてしまう。この③アクセスの悪さのほかに、①競合施設の存在 、⑥運営会社の破綻も共通している。



















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