「最寄り駅から徒歩34分」で廃墟化…バブルが生んだ「ハマの廃墟モール」の現状と、滋賀の「明るい廃墟」が復活できたワケ

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ベイタウン本牧5番街
現在の「ベイタウン本牧5番街」(筆者撮影)
イオン本牧店
現在の「イオン本牧店」(筆者撮影)

コンセプトは、消費者がくつろぎ楽しめる「アーバンリゾート」。「マイカル本牧」のある新本牧は、戦前は高級住宅街、戦後は米軍キャンプ地として知られ、異国情緒が漂う街であったからだ。

「新本牧地区建築協定のまちづくり」の看板
本牧の街には、米軍の接収解除後に定められた「新本牧地区建築協定のまちづくり」の看板が点在している(筆者撮影)

オープン当初から指摘されていた“遠い最寄り駅”

近くに山下公園や横浜中華街などの観光地が存在することもあり、東京からの来店も狙っていた。しかし、「マイカル本牧」は最も近い山手駅から徒歩約34分、横浜駅や桜木町駅からバスに乗っても20~30分もかかる。このアクセスの悪さはオープン当初から指摘されていた。

オープン数日前の『日本経済新聞』(1989年4月27日)には、「当面大きな問題となるのは交通アクセス。本牧地区には鉄道がなく、桜木町駅からバスで20分はかかる。ニチイが狙うのはむろんマイカー客で、SCには2200台分の駐車場がある。しかし、東京から出かける客は渋滞で悪名高い首都高速横羽線を通らざるをえず、都心部からおよそ2時間かかる」と書かれている。

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