AI時代にこそ"身体性"が必要な理由──堀江貴文はなぜミュージカルをやるのか?「どんなに辛い過去があっても、自分はワクワク生きるぞ」

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ミュージカル、食事業、ロケット開発……。堀江氏は、もはや本業が何かわからなくなるほど多彩な活動を続けている。その一つ一つに真剣に向き合い、まずは自分が楽しむ。その姿に周りの人間が巻き込まれ、やがて一つの大きな流れが生まれていく。

今回のミュージカル「ブルーサンタクロース2025」は、父親を亡くした主人公の少年に、ブルーサンタクロースに扮する堀江氏が「どんなことがあってもワクワク生きること」を諭す物語だ。その裏には、堀江氏自身の人生をなぞるような、ブルーサンタクロースの苦悩と渇望も織り込まれている。

「どんなに辛い過去があっても、自分はワクワク生きるぞ」

その叫びに観客は心を動かされ、自らの人生を重ね合わせたのだろう。

「バカげたことにのめり込めるか」

堀江氏が今回の書籍『僕が料理をする理由 AI時代を自由に生きる40の視点』でも引用する言葉に、スティーブ・ジョブズの有名な“connecting the dots(点と点をつなぐ)”がある。

ジョブズは同じスピーチの最後に、“Stay hungry, stay foolish” というメッセージも残している。意訳すれば、「ハングリーであり続けろ。バカげたことを続けられる人間であれ」。

僕が料理をする理由 ~AI時代を自由に生きる40の視点~
『僕が料理をする理由  AI時代を自由に生きる40の視点』(オレンジページ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

堀江氏はこう強調する。

「大事なのは、将来役に立つかどうかではなく、今のめり込めるかどうか。そうして没頭した経験だけが、あとから振り返ったときに意味を持つ、という考え方だ」

つまり、「なぜミュージカルをやるのか」にも厳密な“合理的目的”はないのかもしれない。ただ、「AI時代だからこそ、身体を使い、遊び尽くす人間でありたい」という意思の表れだといえる。

仕事がAIに代替される世界で、最後に残る差は何か。

それはきっと、「どれだけ自分の身体を使って、本気でのめり込めるか」「周りからは“ムダ”と思われることを楽しんでいるか」なのだろう。

江口 祐子 元AERA with Kids編集長

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えぐち ゆうこ / Yuko Eguchi

編集者。生活実用誌、学習、健康系書籍等を数多く担当後、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)の編集に携わる。2018年から編集長を務める。取材した教育者、経営者、起業家等の数は700人以上。2021年に独立し、エディットプラン合同会社を設立。企業のPR活動、出版プロデュースなども行っている。

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