「AI企業への投資は絶対に儲からない」と断言できる「11の理由」

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「それならビジネスモデルを持っている勝ち組があるんだから、その陣営のAIが儲かるのでは?」と思うだろうが、そうではない。AIが儲かるのではなく、グーグルのビジネスプラットフォームが儲かるのである。グーグルに乗る生成AIはグーグル純正とは限らない。今後、どの生成AIが勝ち残っても、それを乗せるプラットフォームおよびデータセンターほかすべてのものを備えているグーグルは勝ち組となるだろう。

となると、「やっぱりAIで儲かるじゃないか」と言うかもしれないが、そうではない。AIで儲かっているのではなく、プラットフォームで儲かるのである。だから、AIそのものだけでは儲からないし、AIそのものだけの企業は儲からない。

第4に、これと類似であるが、AI関連で儲けている企業は、AI以外で儲けている。アメリカの個人投資家に大人気になっているセキュリティー関連企業、パランティア・テクノロジーズは、AIに弱い政府や軍関係(同様にオールド民間セクター)を顧客として狙い、データの秘匿性を逆手にとって、一度契約を獲ればほかに乗り換えられにくいような儲け方をしている。

これは、AIでも何でもない。コネを利用(逆用)したクレバーな(スマートではなくクレバーという英語のニュアンスにぴったりの)戦略による儲けである。それはAIでも友人ネットワークでも弱みやスキャンダルを握ることでもなんでも同じなのである。AIは1つの手段にすぎない。

AIは実体がありすぎるから儲からない

第5に、こういうと「AIブームはまやかし」「実体のないバブルそのもの」というイメージになるかもしれないが、実はまったく逆である。AIが儲からないのは、AIには実体がありすぎるからである。

実は、実体がありすぎるものは、常に儲からない。実体がありすぎるということは、本当に実力勝負となるからである。実力をつけるためには、人材、技術、投資が必要である。しかも、これは本質の戦いであって、ビジネスモデルの巧拙やプラットフォームの有無あるいはポジションで決まらない。本質にはカネがかかる。だから、成功したとしても投資がペイするとは限らない。

次ページ本質の戦いなのだから、過当競争は必至
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