東大推薦入試に受かるのはどんな人?東大教養学部で実際に出された質問とは

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ーーー最近、国公立大学でも一般入試以外の形式で合格する人が増えていますが、この点についてどう見ていますか?

孫さん:
「総合型選抜入試や学校推薦型選抜入試といった “年内入試” は、私立大学で多いというイメージがあるかもしれません。しかし近年は国公立大学でも拡大傾向が見られます。2025年度入試に関しての文部科学省の発表では、国公立大学全体の募集人員において、総合型選抜および学校推薦型選抜の合計が24.3%に達していることがわかっています。約4人に1人がペーパーテスト以外で試験を突破しているわけです。

特に象徴的なのが東北大学で、2050年までに一般入試を廃止し、すべてを年内入試に置き換えるという構想を発表しました。また、東京大学や京都大学でも推薦入試が実施されています。年内に人物評価を行い、多様な学生を確保しようという流れが全国的に広がってきているのです」

 東大推薦入試=定員通りには合格させない

ーーーなるほど。そんなに増えてきているんですね。そんな中でも東大の推薦入試が有名だと思います。東大推薦入試について概要を教えてください。

孫さん:
「東大推薦は10年前にスタートした学校推薦型選抜で、学校長の推薦を受けた人だけが出願できます。特徴的なのは、定員通りには合格させないという点です。例えば定員3名の専攻に10名受験者がいたとしても、合格者が1名というケースもある。つまり“枠を埋めるための入試”ではなく、本当にマッチする学生だけを採用するというスタンスを貫いています」

ーーー一般入試の考え方でいえば、定員が埋まらないというのは考えられないですね。本当にその人を評価して合格者を決めている感じがあります。でも、ネット上では推薦入試は“ペーパーテストで測らないから不公平なのでは”という声もありますよね。この点、孫さんはどうお考えですか。

孫さん:
「実はこの批判に対して、東大自身が公式HPのQ&Aで回答しています」

Q:学校推薦型選抜は、ペーパーテストによる一般選抜のような公平性を保てますか?
一般選抜が「公平性」の面で高い評価を得ていることは確かですが、一方で、学力試験の訓練に習熟した者が有利になる結果、アドミッション・ポリシーに掲げる「期待する学生像」に合致した、ペーパーテストでは評価しにくい優れた能力を持つ学生の確保という面では、改善の余地があります。
学校推薦型選抜は、ペーパーテストの点数を主として評価するという入試システムとは異なる尺度で選抜を行うこととなりますが、受験生間の公平性に充分配慮した選抜を行っていることについては変わりありません。
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