AIを使って「クソどうでもいい仕事」を量産するエリート部下が言い放った驚きの一言

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

まず、営業・マーケティングの現場で起きている惨状を見てみましょう。

生成AIを使えば、人間らしい自然な営業メールを無限に量産できます。その結果、企業の問い合わせフォームはAIによる「スパム営業メール」で埋め尽くされています。

私の会社HPにも、毎日営業スパムが届きます。まともな提案なら良いのですが、大半は適当にAIが調べた内容がコピペされており、ひどいものは業種が間違っているというのもあります。

こういった状況に対抗するため、「AI営業メールを検知して自動削除するAI」を開発している人も現れています。

つまり、「AIが書いたゴミメールを、別のAIが判定し、削除する」。この一連の流れに、何の生産性があるのでしょうか。人間は、AI同士がゴミを投げ合うシステムの構築とメンテナンスに、貴重なリソースを割いているのです。

「AIコピペ部下」の尻拭いをする上司たち

社内でも同様の現象が起きています。「AIを使って資料作成を効率化しました!」と胸を張る若手社員。しかし、提出された資料を見て上司は愕然とします。

「なんだこの事例は!存在しないURLから引用しているじゃないか」

「フライホイール効果ってなんだ!こんな用語で地方の中小企業に説明できるか」

「前年比200%ってなんだ! 何が200%なんだ! 何の根拠で200%なんだ」

あまりにひどすぎて、一つ一つを指摘していたらキリがありません。しかし、部下を指導しろと言われているので、放っておくわけにもいかないのです。

結局、上司は一つ一つを丁寧に指摘したうえで、自ら論理構成を直し、ほぼすべてを作り直す羽目になります。若手は「AIで時短できた」と満足していますが、組織全体で見れば、「AIが出したゴミを上司が分別・処理する時間」が純増しているだけです。

AIで楽になるはずが、なぜこんなことになっているのでしょうか。根本的な原因は、AIの性能ではなく、使う人間の「思考放棄」にあります。

次ページAI時代の仕事の本質とは?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事