誰でも、いつでも、食べられるラーメンを
はかたやが290円にこだわる背景には、「誰でも、いつでも、食べられるラーメンにしたい」という明確な狙いがある。
一杯290円のラーメンは、3人の子どもがいる5人家族で食べても1450円。1500円でお釣りがくる。
一見、ファミリー層を狙っているように思えるが、澄川社長は首を横に振る。
「それも違うんです。専門家はすぐターゲットをどこにするかと考えますが、客層を絞るのではなく、広げるんです。誰でも、いつでも、食べられるものを提供する」
そのために最も重要なのが、「利用動機を明確にする」ことだという。
「どんな時に食べたいと思ってもらえる店にするのか。時々食べて“おいしいね”ではチェーンにはならない。週に2〜3回でも無理なく通える店でないと、日常の選択肢になりません」
そして利用動機を支えるのが、「日常的に使える価格帯であること」だ。
価格を上げれば来店頻度は確実に下がる。月に1回、年に1回では日常の生活に入り込めない。
「ラーメンを食べた後の生活がどうなるかが一番大事なんです。財布のなかからお金を取り出そうというのは、まったく逆の考え方です。うちでは無駄なお金を使わないでくださいね。そのぶん暮らしを豊かにしてくださいと。ひとの暮らしを豊かにできるサービスを提供したいんです」



















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