「49年ずっと290円」激安ラーメンチェーンが値上げしないのに「売上は右肩上がり」の訳→社長が語る《味は引き、手間は足す》驚きの経営論

✎ 1〜 ✎ 24 ✎ 25 ✎ 26 ✎ 27
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
チャーシューをカットする様子
オーダーメイドの機械でチャーシューを均一にカット(筆者撮影)

誰でも、いつでも、食べられるラーメンを

はかたやが290円にこだわる背景には、「誰でも、いつでも、食べられるラーメンにしたい」という明確な狙いがある。

一杯290円のラーメンは、3人の子どもがいる5人家族で食べても1450円。1500円でお釣りがくる。

一見、ファミリー層を狙っているように思えるが、澄川社長は首を横に振る。

「それも違うんです。専門家はすぐターゲットをどこにするかと考えますが、客層を絞るのではなく、広げるんです。誰でも、いつでも、食べられるものを提供する」

そのために最も重要なのが、「利用動機を明確にする」ことだという。

「どんな時に食べたいと思ってもらえる店にするのか。時々食べて“おいしいね”ではチェーンにはならない。週に2〜3回でも無理なく通える店でないと、日常の選択肢になりません」

そして利用動機を支えるのが、「日常的に使える価格帯であること」だ。

価格を上げれば来店頻度は確実に下がる。月に1回、年に1回では日常の生活に入り込めない。

「ラーメンを食べた後の生活がどうなるかが一番大事なんです。財布のなかからお金を取り出そうというのは、まったく逆の考え方です。うちでは無駄なお金を使わないでくださいね。そのぶん暮らしを豊かにしてくださいと。ひとの暮らしを豊かにできるサービスを提供したいんです」

次ページ「飽きない味」を提供することが大切
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事