配給の東宝とソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、年末年始興行に向けた目玉作品として300スクリーンを超える大規模公開。東宝のラインナップのなかでは、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』と『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』とならぶ大ヒットが約束されたアニメ大作の位置づけだったはずだ。
しかし、封切り直後からSNSでは客席がガラガラという投稿が目立ち、公開2週目で早くもランキングTOP10から消えた。こうした流れに鑑みると、スクリーン数はさらに減っていくかもしれない。
公式Xが「大ヒット上映中」と宣伝する理由
一方、映画公式Xは、公開翌日の11月22日に「大ヒット上映中」とポストし(現在もXタイムラインおよび公式サイトにその文字が踊る)、それを受けてSNSではシネコンの予約画面の席が埋まっていない画像がアップされるなど、逆に燃え上がった。
なぜ公式Xは、すでに逆風が吹いているなか、大ヒットと打ち出したのか?
1つには、それが公開後の宣伝活動の一環となる紋切り型の定型句であり、言ってしまえば、ヒットのいかんにかかわらず、どの作品も行っている従来のプロモーションの流れということがある。
それにより、ヒットしている空気を醸成することで、少しでも世の中的な盛り上がりを作り、観に行ってみようと思う観客を増やすためだ。
もう1つには、初週で3億円に迫るスタートは、実際にヒットと呼べることがある。
前述のとおり、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』や劇場版『チェンソーマン レゼ篇』と同じ公開規模の東宝大作アニメとしては厳しい出足だが、独立系の小規模アニメや洋画などと比較すればヒットスタートであることは間違いない。
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【大規模大作と独立系の小規模作品の格差は開く】
