公式Xは「大ヒット上映中」と宣伝…。大コケとされる《果てしなきスカーレット》は単純な興収ならヒット?"映画興行の最新ヒット基準"を考える
コロナ禍を経て、動画配信サービスでの映像作品の視聴が一般的になり、映画業界が過渡期を迎えるなか、映画のヒット規模は縮小している。メジャー配給の大規模大作と独立系の小規模作品の格差は開き、世の中的な話題作となる前者以外の作品は軒並み厳しい状況にさらされる、ヒットの二極化が進んでいる。
かつてはテレビ局製作のドラマ映画は興収50億円を超える作品が多かったが、現在ではごく一部になり、10〜20億円がデフォルトになっている。
一部の大手映画会社製作の漫画実写化などのエンターテインメント大作を除けば、一般的な邦画実写は数億円から10億円台がほとんどだ。そんな市況のなか、映画会社各社はヒットの指標を10億円にする。
そうしたなかの1作として見るなら、初週興収はヒットの分類に入る。
要は大コケかヒットかは、基準をどこに置くかということになる。作品規模とファンや関係者の期待値としては物足りない出足だが、昨今の市況で見ればヒットになる。
「ヒットしたか否か」を巡って激論となった背景
ヒットしたか否かを巡って紛糾する事態になった背景にあるのは、やはり観客の本作の内容への“消化不良的なフラストレーション”だろう。
すでにネットニュースでもさまざまな分析がされているが、ひと言でいえば、本作のストーリーが観客に響かなかったことが考えられる。本作は細田作品のなかでもとくにメッセージ性が強く、ダークでハードな世界観がいまの社会の空気や観客のニーズとマッチしなかった。



















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