脂肪燃焼を促す､血管を丈夫にする､がん予防､シミの原因を分解…注目の筋肉成分｢マイオカイン｣がもたらす全身へのすごい健康効果

テレビをつけたり新聞を開いたりすれば、どこかしらかで「健康のために運動しましょう」という言葉を見かけるでしょう。

確かに、運動を習慣的に行うと、筋肉がついたり体脂肪が減ったりするだけでなく、骨、胃腸や肝臓、腎臓の働きが良くなります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、がん、骨粗鬆症など命にかかわる病気や、生活の質（QOL）を下げる病気を予防することができます。

さらに、脳、神経の働きを良くすることで、認知症やうつのリスクを軽減し、幸福感にもつながります。

運動や筋トレが健康に良いことは、体験的に確かなことですが、では「なぜ筋トレが健康によい影響を及ぼしているの？」と問われると、実は専門家でもある程度のところで言葉に詰まってしまう、つまり要因がよくわからないところがありました。

多岐にわたる運動効果

ところが最近になって、どうやら筋肉から分泌されるマイオカインが健康効果に影響を及ぼしているらしい、とわかってきたのです。

あるマイオカインは、体脂肪を分解し、筋肉で脂肪の燃焼を促します。また、あるマイオカインは、有害物質により血管に傷がつくのを抑えて心臓へ血液を供給するのを助けます。

さらに、脳の中に入っていって、神経細胞を保護したり、神経伝達を助けたりするものもあります。

ほかにも、骨の分解を防ぐものや、がんの芽をつんでいくもの、皮膚のシミの原因となるメラニン色素を分解するものなどが報告され、その効果は多岐にわたります（以下の図。※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください）。

（画像：『筋肉はすごい-健康長寿を支えるマイオカイン』より）