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脂肪燃焼を促す、血管を丈夫にする、がん予防、シミの原因を分解…注目の筋肉成分「マイオカイン」がもたらす全身へのすごい健康効果

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  • 青井 渉 京都府立大学准教授
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例えば心拍数は、1分間に、通常60~70回拍動しますが、精神的に緊張したときなどは、瞬く間に100回程度にまで上昇します。

脳で感じた緊張が心臓に伝わるわけですが、これは神経や副腎から分泌されるノルアドレナリンというホルモンが心臓に作用して拍動を速めているのです。

また、朝食を欠いたときなど、食事のとれない時間が長くなると、血糖値が低下していきます。

血糖値が下がりすぎると、筋肉でエネルギーを作ることができず運動ができないばかりか、脳のエネルギーがなくなってしまい意識が遠のくこともあります。これを防ぐために、コルチゾールというホルモンが脇腹あたりにある副腎皮質から分泌され、血糖値が下がりすぎないように働いてくれます。

このように、ホルモンは体の成長や身体活動、脳の働きなどあらゆる生命現象を支えてくれるものです。

そして、マイオカインは筋肉から分泌されるホルモンと考えられるようになりました。

ホルモンと仲間であるということは、つまり筋肉が自分自身のことだけでなく、となり近所、さらには全身の細胞に働きかけて役立つことを意味し、今まで単純に考えられていた筋肉の存在意義がとても深いものになりました。

マイオカインの発見は、生物学的にも医学的にもインパクトの大きなことなのです。

そして、これまでに50種類余りの物質がマイオカインとして報告されています。しかし、これもほんの一部で、筋肉はまだ多くのマイオカインがある、その種類は600種以上にものぼるともいわれています。現在、世界中の研究者が新しいマイオカインを発見しようと鎬(しのぎ)を削って研究しているところです。

運動による健康効果をもたらす

マイオカインは、筋肉から血液中に分泌された後、あるものは脳、あるものは内臓、またあるものは血管や骨に作用して、さまざまな働きをします。

どんなときも分泌されるものもあれば、運動をする度に一時的に分泌されるものや、筋肉をつけることによって分泌されやすくなるもの、逆に運動不足や筋肉が弱るときに分泌されやすくなるものなど、種類によってさまざまな特徴があります。

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【「健康のために運動」の根拠】

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