【愛情ホルモン】が高濃度になったはずなのに…「愛が憎しみに変わるとき」脳内で起きていること

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現代の日常生活にはあまり必要がなさそうに思われますが、人類の歴史のなかでは、命の危険がない、敵と戦わなくてもいいという環境のほうがよほど少なかったのです。

こうして、脳が不安や怒りといったネガティブな感情をわたしたちに湧きあがらせることで、自分にこれから起こるかもしれない危機に備え、対処することができるわけです。

「不快だけれども大事」だと理解する

もちろん、これらの科学的な仕組みを理解したところで、すぐにネガティブな感情から解放されるわけではありません。

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しかし、ネガティブな感情は不快だけれど、とても大事な機能なのです。そうした機能を持つことで人類が生き延びてきたことは、ご理解いただけたのではないでしょうか。

とはいえ、ネガティブな感情のストレスに長くさらされていると、脳も疲弊して正常な判断がしづらくなってしまい、普段なら考えられないような極端な思考に陥ったり、行動を取ったりしてしまいます。

ですから、まずネガティブな感情は、脳に必要な防御メカニズムであるという知識を持ち、それが発動するのは意味のあることで、発動することで冷静に対処しようとする気持ちのベースづくりができるということを理解することがポイントです。

そのうえで、ネガティブな感情のストレスに長期間さらされないようにすることが必要なのです。

中野 信子 脳科学者

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なかの のぶこ / Nobuko Nakano

医学博士、認知科学者。1975年、東京都生まれ。東京大学工学部卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にて、博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教授。著書に『脳内麻薬』『ヒトは「いじめ」をやめられない』『サイコパス』などがある。テレビ番組のコメンテーターとしても活動中。

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