「おっさん、痴漢したよね」無実の男性を痴漢冤罪で陥れた22歳女性が背負わされた"前科" 『子供部屋同盟』3章②

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──報酬は着手金名目で百万。こちらは強請りを実行する直前に請求いたします。さらに成功報酬は、強請りで得た金額を折半です。この折半ってのが我が裏探(うらたん)の売りでしてね。強請りで得られた金額によっては、着手金を差し引いても依頼者は黒字になります。

復讐できて金までもらえる

──以前に某政治家を公職選挙法違反で強請ったときは、実に二千万をせしめることができましてね。依頼者の彼はしがない小市民でしたが、着手金を差し引いても九百万の儲けです。そう、強請りが成功すれば、復讐できてなおかつ金までもらえるのです。もちろん私も報酬を得られて、ビジネス的にもウィンウィンですね。強請られたほうは堪ったもんじゃありませんがね。

──でも強請りが成功するってことは、相応の弱みを持っているわけで、つまりは何かしらうしろめたい行為をしているわけです。社会なり人間なりを、裏切っているのです。そのような裏切り者を強請りで成敗する、これは社会正義とは言えませんかね? ちょっと無理がありますかね? で、ご依頼いかが致しますか?

直人は若林に素行調査を依頼した。百万は大金だが、それであの女に報復できるのならば安いものだ。

若林曰く、まずは通称“人探し”から始めて、女の生活圏を特定するという。直人は自身が持っている情報をすべて若林に渡した。しかし名前も住所も連絡先も分からない状態で、女の所在を突き止めることなどできるのだろうか。

三日後に、若林から連絡がきた。

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