トヨタが捨て身で挑む中国エコカー決戦
「トヨタは中国で出遅れている、と言われるたびにたいへん悔しい思いをしている」──
4月23日、北京モーターショーの幕開けに際して、豊田章男・トヨタ自動車社長は大きく声を張り上げた。続けて、中国市場で巻き返すカギは、ハイブリッド車(HV)の技術だとも断言。いずれ、中国で走るトヨタ車の大部分はHVになる、とまで言ってみせた。
トヨタが中国市場で出遅れているのは事実である。中国では2008年秋のリーマンショック後、エコカー支援策で小型車市場が急拡大。09年には米国を抜いて世界最大市場となった。小型車の売れ筋を欠いたトヨタはこの流れに乗り遅れ、フォルクスワーゲン(VW)、ゼネラル・モーターズ(GM)の2強に、大きく水をあけられた。さらには、後続の現代自動車や日産自動車にも追いつかれ、市場での存在感は大きく後退したのだ(グラフ)。
この間、長年にわたって収益源だった、ドル箱の米国市場が低迷。10年の大規模リコール問題がダメ押しとなり、トヨタは新興国での事業拡大に舵を切らざるをえなくなった。
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