トヨタが捨て身で挑む中国エコカー決戦

結果的に効果はあったのかもしれない。その翌日、トヨタの中国統括会社であるトヨタ自動車(中国)投資有限公司(TMCI)の董長征・執行副総経理は、「中国での生産能力をさらに増強することで、一汽や広汽と合意した」ことを明らかにした。認可に向けて政府筋から何らかの好感触を得たのだろう。

この先を見ると中国の自動車産業では、燃費規制の厳格化への対応が中期的なテーマだ。4月18日に中国政府はエコカー振興計画の概要を公表。中国で生産される乗用車の平均燃費を、15年に100キロメートル当たり6・9リットル、20年には同5・0リットルに引き下げることが決まった。燃費規制は車種ごとでなく企業平均で課され、今後はこれをクリアすることがメーカーには必達目標となる。

「これから排気量1・6リットル以上の車は、何らかの技術で燃費を改善しなければ、販売できなくなるのではないか。そのために最も有力な選択肢はHV」(TMCIの董副総経理)。重要性を増す高級車戦略上、大きな武器だ。

HV技術でトヨタは突出した強さを持つが、その強さがHVの普及を阻んでいるという指摘もある。トヨタ社内でも「地場系メーカーに格安でHVユニットを売ることを検討してもいいのではないか」との声が上がっている。中国への貢献を印象づけられるうえに、生産規模の拡大でトヨタにもメリットがあるからだ。

そうしないと、「強すぎるHV」を牽制するために、何らかの制約を課されるという警戒感もある。すでに中国国内にあるエコカーの電池生産拠点では、外資の出資比率を50%以下に抑える政策が出された。ユニットを含め、中国でのHVの生産体制をどうするか、まだトヨタにも全体像は描けていない。

“ガラパゴス”脱出へ 自ら電線工場建設

HVには日本という特殊な市場でしか通用しない“ガラパゴス”商品、との厳しい見方もある。実際に販売台数の推移を追うと、ガラパゴス化したのはそう昔のことでないのがわかる(グラフ)。


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