初の中台会談にシンガポールが選ばれたワケ 「細心の注意」で勝ち得た、中台双方の信頼感

✎ 1〜 ✎ 26 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 最新
拡大
縮小

シンガポールと台湾の関係は伝統的に深いものがあったが、リー・クアンユー氏と深い友情を結んだ蒋経国と違って、その後継者の李登輝総統は、リー・クアンユー氏と民主化をめぐって口論となり、どちらも中華世界のオピニオンリーダーでありながら、その主張は平行線をたどり続けた。

1980~90年代のトップ外交が、今の時代に作用

台湾の民進党政権も、シンガポールにおける言論の規制や一党専制的な政治体制への違和感からか、「星光計画」は維持したものの、両者の関係は冷え込む形となった。

その台湾・シンガポール関係を、再び蒋経国時代の状態に戻したのは、蒋経国氏を政治の師として深く敬愛する馬英九だった。政治は人間同士が行う血の通ったゲームでああり、信頼できない相手とは大きな仕事はできない。そう考えれば、これは偶然の結果とは片付けられないだろう。

蒋経国、リー・クアンユー、鄧小平という1980~90年代のアジアの巨星たちが結んだトップ外交が、この2015年、その下の世代の政治家たちの時代に、中台トップ会談という形で実を結んだと見ることもできるだろう。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT