「Fラン大卒より高卒」企業人事部が断言する"定着率"と"成長力"の明確な差

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「賛成です。一流大学の卒業生を採用することはもちろん困難ですが、Fラン大学なら、比較的容易に採用することができます。給与体系をどうするかなど検討事項は多々ありますが、試してみる価値はありそうです」(精密)

「反対です。というより無理でしょうね。以前、中途で大卒を現場作業員として採用しましたが、すぐに退職してしまいました。やっぱり3交代勤務はきついですし、高卒や外国人と一緒に働くことに抵抗感があったようです」(素材)

Fラン大卒に対しては厳しい意見

学歴で人を判断することに批判がある一方で、世の中には「Fラン大学」と呼称される、入学が容易な大学が存在するのは事実です。今回、人事部門関係者から高卒とFランク大卒を比較するコメントがありました。

一部に、「知識・技術が大きく変わる時代に、大学で一定の教養と学び方を学ぶことはますます重要」(通信)という意見もありましたが、Fラン大卒に対しては厳しいコメントが目立ちました。

「今は一流大卒をなかなか採れないから、高卒もFラン大卒も採用していますが、どちらかを選ぶなら断然、高卒です。Fラン大卒でも入社後に大きく成長し大活躍する社員はいますが、確率は極めて低い。教育すればたいてい一定水準以上になる高卒の方が、平均では上です」(食品)

「大卒というだけで高い給料を払わなくてはいけないし、プライドは高いので、ちょっとでも補助的な仕事を与えると、『これってボクがやる仕事なんですか?』と不平を言う。こんな相手に頭を下げて採用している自分が情けなくなります」(サービス)

「離職に関して、大卒は定着してほしい優秀な人材ほど転職し、Fラン大卒ほど居残る。高卒は優秀な人材ほど定着し、落ちこぼれから辞めていく。この違いは、今後の採用を考えるうえで大きいと思いますよ」(電機)

以上をまとめると、現在、多くの日本企業は大卒・高卒・専門学校卒を幅広く採用していますが、一流大卒をなかなか採用できないので、Fラン大卒や高卒をやむなく採用しているようです。この状況が少子化・大学進学率の上昇などでどう変わっていくのか、注視する必要がありそうです。

日沖 健 経営コンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひおき たけし / Takeshi Hioki

日沖コンサルティング事務所代表。1965年、愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。日本石油(現・ENEOS)で社長室、財務部、シンガポール現地法人、IR室などに勤務し、2002年より現職。著書に『変革するマネジメント』(千倉書房)、『歴史でわかる!リーダーの器』(産業能率大学出版部)など多数。
Facebook:https://www.facebook.com/takeshi.hioki.10
公式サイト:https://www.hioki-takeshi.com/
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事