県立大「恐竜学部」新設→ネット「専門学校行ったほうがいい」の指摘が的ハズレなわけ
いま日本の大学では、新しい学部・学環が次々と誕生し、学問の世界そのものが大きく広がっています。しかし、その見た目のインパクトだけにとらわれてしまうと、「恐竜が好きだから恐竜学部」「メイクが好きだからコスメ学環」といった“表面的な相性”で進路を判断してしまう危険もあります。
実際には、これらの新設学部は「好き」を入り口にしながら、その先にある学問的な探究や科学的な理解を重視しています。恐竜を通して地質・生態系・自然環境の理解へとつながる学び。コスメを入り口に、化学物質が人体に与える影響を科学的に検証する学び。どちらも“好き”をそのまま職業スキルに変えるのではなく、好きな分野を媒介として学問的視野を広げるためのプログラムとして成立しています。
そしてこれは、専門学校との違いを考えるうえで非常に重要なポイントです。専門学校は「技術を身につける場所」であり、大学は「問いを広げ、学問的に考える場所」です。大学での4年間は、特定の業界だけでなく、関連領域すべてに応用できる思考力と知識の基盤をつくる時間になります。
だからこそ、恐竜学部の卒業生が地質の専門家になれたり、コスメ学環の卒業生が食品・医療・材料など幅広い分野に進むことも可能になるのです。
子どもの興味を出発点に“学問としての問い”を広げる
今の時代、親に求められるのは「子どもの好き」をただ応援することではなく、それを“アカデミックに広げてあげる対話”です。
「恐竜が好きなんだね。じゃあ恐竜からどんな科学が学べるんだろう?」
「化粧が好きなんだね。じゃあ化粧品に入っている成分って、どうやって肌に働くんだろう?」
このように、子どもの興味を出発点にしながら、そこから“学問としての問い”へと広げていくコミュニケーションが、進路選択をぐっと豊かにします。
新しい学部が増える時代だからこそ、親の問いかけひとつで、子どもの「好き」は単なる趣味で終わらず、生涯にわたる学びとキャリアへとつながっていきます。
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