県立大「恐竜学部」新設→ネット「専門学校行ったほうがいい」の指摘が的ハズレなわけ

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一見するとこうした特色のある学部は、カラーが明確で、どんな人材を求めているのかかなりわかりやすくアピールされているように感じられます。

例えば「恐竜学部だったら恐竜好きが集まるのだろう」「コスメティックサイエンス学環だったらコスメとかお化粧とかが好きな人が集まるのではないか」と。そしてそうした誤解から、ネット上では「それだったら4年生大学ではなく、専門学校に行ったり、就職したりしたほうがいいんじゃないか?」という勘違いも散見されます。

しかし、実は実際に話を聞くと、そういうわけでもないことに驚かされます。

「恐竜」はあくまで学びの入り口にすぎない

例えば、恐竜学部の神谷隆宏教授は、我々のインタビューの中でこのようなことをおっしゃっていました。

神谷教授「恐竜学部というと、恐竜が好きで、いわゆる“古生物オタク”的な学生ばかりが集められているのではないかと考えている人もいるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。恐竜はきっかけであって、そこから地質や自然環境・生態系に興味を広げてくれることを期待しています。

実は入学式でも、福井の恐竜学の創設者である東洋一県立大名誉教授が生徒たちに含蓄の深い祝辞をくださいました。『恐竜学部は、恐竜を学ぶ学部ではなく、恐竜で学ぶ学部だ』ってね」(元記事はこちら

この言葉通り、恐竜学部は、もちろん恐竜を専門に扱う学部です。しかしそれは、恐竜を学ぶ学部というわけではなく、化石や地質からわかる情報の読み取りや自然環境に対する理解・生態系への理解などにつなげる目的も持っています。

コスメティックサイエンス学環でも、同じことが言えます。コスメティックサイエンス学環の先生にお話を聞くと、お化粧がただ好きで、お化粧の種類をたくさん知っている人だからといって、「コスメティックサイエンス学環」が向いているかというとそういうわけではないのだそうです。

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