「AI vs. 人柄のよい上司」この先必要とされるのはどちらか
AIは膨大なデータから最適解を提案できます。しかし、その決断によって生じる摩擦や責任を負うことはできません。
例えば、前述の問題社員のケース。その社員の数字には表れない勤務態度、周囲への細かな悪影響、人間関係の機微といった「人間社会のコンテキスト(文脈)」をAIが完全に理解し、対面で指導したり配置転換といった判断を下すことは、当面の間は不可能です。
「責任を負って、トレードオフ(何かを捨てる痛み)を受け入れる」
これは、人間にしかできない、最後まで残る仕事です。逆に言えば、決断を避けて調整ばかりしている仕事は、AIによる自動化や効率化の波に飲み込まれていくでしょう。
嫌われることを恐れず決断する
業績不振の企業や停滞するチームの会議を見ていると、この「決断の欠如」が共通しています。売上が未達なのに抜本的な改革を決断できない営業責任者、炎上プロジェクトを中止にする勇気がないCTOなどといった具合です。
情報不足や経験不足も理由ですが、何よりこの「トレードオフの覚悟」がないのだと感じています。しかし、「成果に繋がらないもの」「組織に悪影響なもの」を捨てる決断をするまでは、状況は好転しません。
決断は損な役回りです。たとえ正しくても、捨てられた側からは恨まれるかもしれません。しかし、だからこそ、その苦渋の決断を背負えるリーダーには高い価値(報酬)がつくのです。
そしてAIが多くの業務を代替する時代だからこそ、「嫌われることを恐れず決断する」という人間臭いリーダーシップの価値は、いつまでも残り続けるのです。
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