226個のブロックは神戸へ、建物は淡路島へ──万博パビリオンが挑んだ「解体なき未来」の現在地

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万博で実証したのがIOWN(アイオン)だ。NTTパビリオンではIOWN2.0による光コンピューティングを使った。従来より電力消費が8分の1のコンピューターを実現した。島田明社長は決算説明会で語った。「2026年にはこの万博版からさらに通信容量を2倍に向上させた商用版の提供を目指す」。

NTT Pavilion
NTT PavilionはPerfumeによるライブパフォーマンスなども見どころだったが、光通信技術の「IOWN」の技術実証としても活用されていた(筆者撮影)

IOWNは光を使った通信技術で、データセンターの消費電力と発熱を抑える。島田社長は「チップに近いところまで光を持っていくことで、電力削減と熱処理ができる」と説明する。データセンターの最大の課題である熱処理問題の解決に向け、万博での実証を商用化につなげる方針だ。

EUパビリオン、徹底した循環計画

EUパビリオンは、協会から既存建物を賃借する「タイプB」だった。建物は受領時と同じ状態で返却する必要がある。内装・外装は解体される制約がある。

EUパビリオン(筆者撮影)

この制約の中で、EUパビリオンは「アフターライフ(再利用計画)」を設計に組み込んだ。展示物の多くはレンタル品で供給元に返す。外装はタイの仮設校舎プロジェクトに寄付する。一部は東京の駐日欧州連合代表部で引き続き展示する。

ロボットアームが庭を描く禅の展示も見どころだった(筆者撮影)
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