下町ロケット、「リアル神谷弁護士」の知財人生 鮫島弁護士が説く「知財経営」の重要性
――弁理士の資格はフジクラ在職中に取得されています。なぜ弁理士を目指したのでしょうか。
逃げ以外の何ものでもありません。当時はバブルのはしりの頃でしたので、ただ辞めてどこか別の会社に転職することも出来たのかもしれませんが、そんな無軌道なことをしていてもダメだということは直感的には分かっていました。
それでどうするかということで、資格取得を考えたのです。でもそれまで技術系のことばかりやってきたものですから、いきなり、たとえば公認会計士挑戦なんていうのはあり得ない。技術系で将来につながりそうな資格と言えば、技術士か弁理士しかない。でも技術で不適合になっている人間が技術士でもないだろうということで、弁理士だったんです。
弁理士受験で知った法律学の面白さ
――弁理士の取得にはどのくらいの期間を要したのでしょうか。
2年半くらいですね。社会人向けの予備校に行きました。受験勉強は仲間を見つけないと。一人では続かないです。
――合格後、すぐにIBMの知財部に移りました。
もともと資格取得の動機が「仕事を変えたいから」でしたからね。弁理士の受験勉強仲間にIBMの知財部の人がいまして、その人に引っ張ってもらいました。
――その後さらに司法試験に挑戦した動機は?
弁理士の勉強は、やってみたらものすごく面白かった。大袈裟でも何でもなく、生まれて初めて勉強が面白いと思ったんです。法律学が性に合っていたんでしょう。工業所有権は法律学の中では片隅の方の存在であることがわかり、憲法から始まる法律というものを体系的に学びたい、という気持ちも芽生えたんです。
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