窪田:環境が変われば尺度も評価自体も変わりますからね。私も子どもの頃、日本では質問ばかりして「授業を妨害する劣等生」とされていましたが、アメリカでは「積極的で最も素晴らしい生徒」という評価に変わりました。今この場でこの瞬間にどう思われているかは意味を持たないと思ったので、人から何を言われても気にならなくなりました。
BossB:そのとおりです。「どう思われているか」にどんな意味を与えるかも、あくまで自分次第ということですね。
ベルトコンベアの上を流れる教育で考える力は育つのか
窪田:宇宙について学んだことで、BossBさんご自身の子育てに生きたことはありますか? 日本の教育について思うこともあれば教えてください。
BossB:まず言えるのは、私は宇宙が大好きですが、それよりも息子への愛のほうが大きいということです。
愛しているからこそ、そのままを受け止めたいと考えていて、私がそうしてきたように、自分の生き方は自分で決めてほしいと思っています。
でも、もしかしたら大きな自由を与えることで子どもを悩ませているかもしれないと思うこともあります。言われたとおりにやるほうがある意味では楽じゃないですか。
日本の教育は、あたかも「正解」の道であるかのように、ベルトコンベアを用意して、その上に子どもたちをダーッと流していこうとします。その上で親がプッシュすれば、人より先に行けたり、安定した生活が手に入ったりするのかもしれません。
でもその結果、自分の頭で考えることができない人に育ってしまうんじゃないかと思います。
宇宙には正解なんてなくて、あるのは粒子のパターンのみだということがわかる。パターンに意味を与えるのは自分なので、ベルトコンベア上の大学や会社の序列の物差しではなく、自分の物差しで納得して生きていくことが大切なんだと思います。
窪田:子どもたち自身が何をしたいのか、自分の内なる声をしっかり聞いて、主体的に選べるようになるといいですね。その意思を尊重できる環境があるといいと思いますし、より多くの選択肢がある社会になってほしいと私も思います。



















