日本のさとり世代も、LINEを介して友人関係が増え、そのメンテナンスに一日の多くの時間を使っており、結果、「異性よりも同性重視」という傾向が強くなってきていますが、これは日米ともに同じ傾向のようです。
友だちとセックス、恋愛の境目があいまいに
ただし違う点もあります。それは、ミレニアルズでは友達関係と、セックス・恋愛の境目もぼやけてきているという点です。
よく使われるのが「フレンズ・ウィズ・ベネフィット」という言葉で、ベネフィットはセックスのこと。
スタンフォード大学の調査では、まったくの赤の他人とフックアップするケースは全体のわずか15%程度だということです。つまりそれ以外の85%はすでに知っている相手、同じ大学に通っている学生とかフェイスブック・フレンズ、友だちのまた友だちなどとフックアップしています。
もちろんティンダーはソーシャルメディアと連動しているし、フェイスブック・フレンズの中から自分にあった相手を捜してくれるHinge(ヒンジ)というアプリも人気です。
ここにこんな面白い調査結果があります。
ベビーブーマーからジェネレーションX、 ミレニアルズまでの3世代を比較した一生涯のセックスの「パートナー」の数を分析・予想し比べたデータです(サンディエゴ州立大学)。
そこで実はいちばん多いのはミレニアルズの親世代に当たるベビーブーマーで11人でした。その次のジェネレーションXは10人、そしてミレニアルズが1番少なくて8人……なんとお相手の数は減ってきているのです。
その理由のひとつが、日本のさとり世代同様、ミレニアルズが初体験する年齢の上昇です。
グットマカー・インスティチュートの調査によると、前世代のジェネレーションXで「15歳より前に初体験した」と答えた女子19%、男子21%だったのに比べ、ミレニアルズは女子11%、男子14%と減っています。その理由として望まない妊娠がもたらす結果や、エイズなどの病気に関する情報が学校教育やインターネットにより浸透したことが挙げられています。
一方で結婚年齢も上がってきており、これも日本の若者同様です。長い独身時代の恋愛やセックスライフをどうするか、多くの人が選択しなければならないわけですが、その答えのひとつが、結婚を前提としたお付き合いをしなくて済むフックアップやカジュアルセックスだと言えるかもしれません。さらにその相手をある程度信頼できる「友だち」の中から選ぶというのが、先に上げた簡便さと同時に、彼らの自衛本能なのかもしれません。