では果たしてミレニアルズは恋愛に関してフックアップ好きなイケイケタイプなのでしょうか? それともコンサバなのでしょうか?
おそらくその答えは「両方」です。
ミレニアルズの62%が婚前交渉にまったく問題なしと答えています。またカジュアルセックス賛成と答えているミレニアルズは37%、場合によってはOKという人も入れると57%になります。しかし反対という人も37%いるのです。
でもOKと答えた57%が全員カジュアルセックスしているわけではありません。賛成はしても実際には「しない」人も多い。 つまりミレニアルズは他人の恋愛やセックスライフに関してとても寛容なのです。自分はやらないし興味はないけれど、やりたい方はどうぞ、ということなのです。
特徴的なミレニアルズの「個人主義」
ここにはミレニアルズが持つ強い「個人主義」的な生き方が現れています。私はあなたとでは環境も考え方も違う。だから私は自分のやり方でいくけれど、あなたも自分の思うとおりにすればいい、という考え方です。
こうした考え方は、もともと多人種多民族の米国にあったもので、その個人主義化はますます進行していると言われています。その大きな理由はさらなる多民族化と格差の急激な同時進行です。
特にミレニアルズはこれまでのどの世代に比べても、多様な人種で構成されています(この個人主義と人種の多様化は、日本と同じ世代を比較するにあたっての最大のファクターだと思います)。
米国では特に人口に占める白人の比率が下がり、マイノリティの比率が上がってきています。現在、全人口の62%が白人。1980年代までは人口の8割が白人だったのに比べると、大きな差です。
これがミレニアルズになると57%に下がります。残り43%がヒスパニック(19%)や黒人(14%)、アジア人(5%)などのマイノリティです。人種が多様化すると、宗教やライフスタイルのみならず、さまざまな要因による価値観が多様化していきます。
こうした人種、そして学歴の違いに着目した珍しい調査を、パブリック・リリジョン・リサーチ・インスティテュート(Public Religion Research Institute)が行っています。
たとえば18歳以下の未成年のセックスに対し、黒人とヒスパニックの5割は否定的。白人とアジア人は否定が4割とその割合が少し減ってきます。白人とアジア人の方が未成年のセックスに関しては寛容ということになります。
また学歴で見ると、フックアップに関して大卒以上の高学歴の人の半数はOKと答えているのに比べ、高卒以下の人の賛成はわずか3割です。ちなみに米国で大卒以上の学歴を持つ人の8割は白人です。「フックアップ・カルチャーは白人で高学歴でリッチな若者のもの」と言われることがありますが、まんざらはずれてはいないようです。
多人種化と格差の進行の中で、「恋愛格差」と言えるものも生まれているのかもしれません。複雑な社会環境の中で、ミレニアルズたちは他人を許容しながら自分の立ち位置を模索している。結果として恋愛も多様化し、平均的なミレニアルズの恋愛というのはないのかもしれません。
ではそうした中で、結婚はどう捉えられているのでしょうか? 次回の記事で考察したいと思います。
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