職場でパワハラする人は何を考えているのか?「仕事のできる上司」が暴走する事情

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Aさんからすれば、「部下に問題があるんだ」というスタンスで責め続けますが、そもそもは、期待がすれ違って上司の側も傷ついていたことが出発点です。

そうであるなら、Aさんも報酬を求めていただけ、部下も上司も自己中心的なのはお互いさまと考えることができます。

この場合の「報酬」は個人の主観で設定されたものです。

その報酬に結びつけたいがための言動は業務上の必要性を超えており、また上司にはそれを可能にする立場の優位性があるだけに、パワハラと呼ばれても仕方がない状況といえるのではないでしょうか。

「あのとき、本当は何を求めていたんだろう?」

パワハラ行為者が経営者の場合も同様です。

経営者は賃金を貰うわけではありませんが、内面の報酬を求めていない人はいないと思います。

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これを読んで、もし思い当たることがあるなら、「あのとき、本当は何を求めていたんだろう?」と、自分に問い直してみることは、今後の関わり方を変えるきっかけになるはずです。

パワハラ上司にならないためには、価値観の違う部下には、これまで期待していた報酬は諦めて、もう少し別の報酬を見いだすことはできないでしょうか。

ただし、ここで「諦めた」だけでは、部下を見捨てたように見えて、これも形を変えたパワハラとなりかねません。

部下の価値観に目を向け、企業秩序を維持しながら許容できる範囲で尊重するなら、人材活用の可能性が広がると考えられます。

濱本 志帆 特定社会保険労務士

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はまもと しほ

職場でのパワハラ・セクハラや月100時間以上のサービス残業、労災隠し、不当解雇を経験したことから、「会社が労働者を大切にできるための支援」を志し、社会保険労務士資格を取得。顧問業務を行いながら、会社と労働者のトラブル解決に携わる過程で、本来的に職場トラブルを防ぐ方法を考えるようになる。

その後大学院に進学し、組織心理学とトラブル発生のメカニズムを研究。MBAを取得。大学院での研究と実務経験から、問題行動の背景には処遇に対する社員の不満があり、その8割は「不満を聴く」ことで解消していることに気づく。

これを紛争解決に取り入れたところ、多くの困難事例を早期解決できるように。現在は特定社労士の試験でグループ研修のグループリーダーを7期務める。裁判になる前に職場トラブルを早期解決する実務家として15年の経験をもとに、特定社労士実務家の育成セミナーや、企業内ハラスメント研修、経営者向け研修など講師実績も多数。

HP:https://www.adr-sr.com/office

YouTube:https://youtube.com/channel/UCX-9ETNmaMMDx2jn7jCS7ag?si=3_eu1UOm6nlYQT7s

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