高市・連立政権を待ち受ける「3つのシナリオ」 「自維」政権に迫られる選択は総辞職か総選挙か

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羽田氏は首相退任後、インタビューに答えて、「本当に悩んだ。個人的には国民に信を問うたほうがいいと思ったけど、当時は、政権与党の宿願だった政治改革法が、区割り法案を残すだけとなっていて、それを成し遂げることが大きな前提と考えた」と語った。それはそのとおりだが、トップリーダーとして出処進退を決する瞬間である。本人の「裸の実力」が問われた場面で、羽田首相は「退」を選択したのだ。

内閣総辞職か解散・総選挙か

31年後の2025年10月、少数与党の自民党の首相として登場した高市氏は、前述のとおり、維新が提示した「合意条件」を丸のみしたが、その中には、維新側が連立の「絶対条件」と唱える「国会議員の定数削減」をはじめ、「企業・団体献金の全面禁止」など、実現が困難視される課題がいくつも含まれている。「自維」に頼るしか手がなかった高市自民党は、すべてを承知の上で「自維」連立に踏み切ったのだ。

のめない維新の要求を、のむふりをしながら連立に走ったとすれば、1994年6月の羽田政権のように、連立与党の離脱決定によって、「内閣総辞職か解散・総選挙か」という二者択一の瀬戸際に立たされる展開は、想定の範囲内かもしれない。そのとき、羽田元首相と違って、解散カードを切り、一気に政局の転換を図る一発勝負を視野に入れているのか。

臨時国会会期末の12月17日をにらんで、瀬戸際の攻防戦が間もなく開演となる。最初に問われるのは、高市首相の政治リーダーとしての「生の実力」だろう。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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