「トロント・ブルージェイズ旋風」にカナダ沸騰、ワールドシリーズいざ天王山へ
シーズン開幕時点の賭け市場では、ブルージェイズに賭ける者はほとんどいなかった。春季キャンプ中にブルージェイズの優勝を予想していた人には、1000ドルの賭けで6万ドルの配当が約束されていた。
ロジャーズ・コミュニケーションズはスタジアムの改修に巨額を費やし、大谷選手の獲得に失敗した後は主砲のゲレロ選手と5億ドルで契約を延長するなど、チームに多額の資本を投じてきた。CIBCのアナリスト、ステファニー・プライス氏によれば、ロジャーズはプレーオフ初期のホームゲームで最大5000万カナダ・ドル(約55億円)の収益を得たと推計され、ワールドシリーズでも同様の収益が期待される。
カナダ人口の約17%に相当する720万人が視聴
その額は年間売上高約210億カナダ・ドルを見込む同社にとっては一部に過ぎないが、自社メディアと連動したマーケティング戦略は成功している。イエサベージ選手の歴史的な好投を中継した試合は、カナダ人口の約17%に相当する720万人が視聴。視聴率は過去最高を記録した。
トロントのビジネス界が動かないはずはない。スタジアムに併設されたマリオット・ホテルは、第6戦と第7戦の観戦用に球場が見える客室55室を28日に発売した。価格は1泊8500カナダ・ドルからで、即完売だったという。30日の夜にはキャンセル分が約1万2000カナダ・ドルで売りに出された。
チケット転売サイトのシートギークによると、2025年の平均チケット価格は過去最高ではない。それでもホームプレートからはるかに遠い席でさえ、価格は高騰している。「シリーズが進むにつれ、トロントの需要が急増している」と同社のクリス・レイデン氏は述べている。31日に優勝が決まらず、第7戦が実現すればさらに高騰する見込みだ。
トロントのヘッジファンド、アンソン・ファンズの共同創業者モーズ・カッサム氏は、金融機関が抑えているVIP席は優良顧客に特典として提供されていると指摘。ただし、試合が始まった後の商談は禁物だという。「試合が始まれば、誰もが固唾(かたず)をのんで見守ることになる」とカッサム氏は話した。
著者:Melissa Shin、Paula Sambo、Ari Altstedter
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