「まずは、年収と学歴をチェックしたいんです。年収は人並みで良いのですが、学歴は大卒以上が希望。自分も大学を出ているし、学歴が違うと話が合わない気がするんです」
さらに、「一人暮らしの経験がある人がいい」とも言う。実家暮らしの男性だと「家事ができない」「結婚後に母親代わりにされる」と考えているようだった。
これらの主張は、一見すると筋が通っているように思える。しかし、結婚という“生身の人間関係“を築いていく場では、その合理性が逆に壁となることがある。
彼女の条件に合う相手は確かに存在するが、人口比で見ればごく限られており、そのなかで価値観が合い、互いに惹かれ合う確率はさらに低くなっていく。
また、「大卒であること」や「一人暮らしをしたことがある」ことは、結婚生活の本質的な幸せを保証する条件ではない。むしろ、さなえのように自立心が強い女性ほど、“対等でいられる相手”を求めるあまり、相手の中にある“人としての柔らかさ”や“誠実さ”といった要素を見落としてしまうことになりかねない。
その結果、男性に“自分を評価する人”という印象を与えてしまう。
結婚を決めるときに大切なことは、“条件の一致”ではなく、心が通じ合う“感情の共鳴”だ。学歴や生活スタイルといった情報は、その人を理解するための一部に過ぎない。
むしろ、相手の考え方や話し方、困難に直面したときの対応にこそ、人としての深さや魅力が表れてくるのではないか。
恋愛は男性がリードするもの
まゆ(38歳、仮名)は、穏やかで聞き上手。一見すると男性受けの良い女性に見えた。だが、活動歴2年を過ぎても成婚に至る出会いがなかった。原因は、彼女の“受け身姿勢”にあった。
お見合い後、デートの誘いは常に男性から。LINEも「相手から来たら返す」というスタンスを崩さなかった。
お見合いをすれば、まずは交際希望が来るのだが、仮交際に入ると、彼女の受け身の姿勢が男性に“自分には興味がないのかもしれない”という印象を与えてしまう。
実際、何人かの男性からは「何度かデートをしたが、距離が縮まらない」との声が寄せられ、交際終了が来ていた。


















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