待ち合わせのカフェに、みさきは10分前に到着した。入口には入店待ちの列ができていたので、その列にお見合い相手のあきら(46歳、仮名)がいないか確認したが、並んではいなかった。
「もしかしたら、先に来て席をとっているのかもしれない」と、店内をひと通り見たものの、それらしき人はいなかった。そこでみさきはウエイティングリストに名前を書き、列に並んだ。
あきらは、お見合い時間ギリギリになってやってきた。始まる前からあきらの気の利かなさにテンションが下がり、見合い後にすぐに“お断り”を出してきた。
“気の利かない男性は、仕事もできないから会社での評価も低い”というのが、彼女の持論だ。
確かにそれはそうかもしれない。仕事のできる人というのは、男女ともに相手の気持ちを考えることができるし、なんでも先回りして行動するタイプだろう。
しかし、その“正論”を相手に押しつけてしまうと、婚活は途端に難しくなる。家庭生活は職場とは違う。“自分の正しさを押し通す”ことより、“相手との違いをどう受け入れるか”が問われる場だ。違いを許容し、良い関係性を築いていくことが、円満な結婚生活が送れるカギとなるのだ。
また、みさきは自分からお断りを出していると思っているが、実際は男性から断られることも多かった。その理由に「こちらを品定めするような質問ばかりされた」「きつい印象があり、結婚しても落ち着けない気がした」といったものが少なくなかった。
婚活では、“正しさ”を振りかざすのではなく、“柔らかさ”や“心地よさ”を相手に与えることが大切だ。批判する前に、相手を受け止める。その余裕が良縁を運んでくる。また、自分が正しいと思ってルールを押し付けているうちは、相手の良さに気付けない。
年収と学歴をチェックしたい
さなえ(38歳、仮名)は都内のメーカーに勤める会社員。学歴は有名私立大学卒で、経済的にも自立している。周囲の友人が次々と家庭を持ち、将来への不安を感じたことから、1年前に結婚相談所への登録を決めた。
プロフィールを見る限り明るく、知的な印象で、申し込みもたくさん来ていた。ところが、男性のプロフィールを確認するやいなや、断ることが多かった。
「まずは、実際に会ってみることが大切ですよ。婚活は、お見合いをするところからがスタートですから」
こうアドバイスすると、彼女はきっぱりと言った。


















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