たとえばスニーカーの縫製によるステッチ幅や、細かく分割された補強パーツによって、視線が散らかるとも言い換えられますが、この状態を私は「ビジュアル情報量の過多」と呼んでいます。
「素材は合っているのに、なぜか着こなしに合わない」という通勤スニーカーの盲点とも言えます。つまり、アッパー部分の縫い目やパーツの継ぎ目が少なく、面の連続性があるほど、重厚感あるビジネスファッションに合わせやすいのです。
次にフォルムについては、先程お伝えしたように、ボリューム感よりも縦横比を意識しましょう。たとえボリュームがあったとしても、革靴ライクな縦横比ならば、上品に見えるものです。
秋冬の通勤スニーカーが野暮ったく見える理由
また色については、秋冬オフィスカジュアルの場合、全身に濃色面積が増えることを考慮する必要があります。たとえば全身が暗い場合、足元の白スニーカーがアクセントになりますし、逆にクリーム系の明るいニットを挿す場合、白スニーカーは合わせづらいのです。その理由は、春夏と秋冬における生地の密度が関係しています。
服の生地感が軽量な春夏は、白いビジネスTシャツと白スニーカーが喧嘩することはありません。というのもダークカラーのジャケットやスラックスも、秋冬ほど生地の密度がないため、抜け感があるからです。
要するに、春夏の白スニーカーは全身の抜けのおかげで、全身に馴染みやすいということ。ところが秋冬は、生地の密度が濃くなるため、春夏と同じ配色でも印象は同一ではないと言えるのです。


















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