進化するO2O、ユナイテッドアローズの挑戦《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

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アパレル業界は景気後退の影響で厳しい経営環境が続いている。そんな中、着実に成長を遂げている会社がある。衣類・小物などのセレクトショップ国内大手、ユナイテッドアローズだ。

2011年3月期の業績は、売上高は前期比8.5%増の約905億円、営業利益は約73.8億円(同49.4%増)、純利益は約35.9億円(同156.2%増)。そのうち、ネット通販の売り上げは約90億円で、前期比31.7%増。リアル店舗、ネット通販ともに絶好調だった。12年3月期も好調を持続。06年3月期の最高純益約40億円を更新する勢いだ。

注目すべき数字が、ネット通販売り上げ比率(EC化率)。11年9月6日付繊研新聞によると、10.6%というユナイテッドアローズのEC化率は、ユニクロ等を手掛けるファーストリテイリングの3.8%、無印良品を運営する良品計画の5.9%を大きく上回る。約90億円という売上高は、良品計画の約85.7億円を超えている。

ユナイテッドアローズの成長エンジンの一端がここに垣間見える。

高成長を続けているネット通販をはじめ、あらゆる新しいネットサービスを戦略的に駆使し、リアル店舗への来客や売り上げ向上につなげている。なおかつ高度に洗練されたO2O(オンライン・ツー・オフライン)戦略も持つ。

「EC化率10%という数字は、結果として達成した数字であり、ECの売り上げを伸ばすことに注力してきたわけではない。あくまで主体はリアル店舗で、ネット通販は補完機能。リアル店舗とネット通販の融合は、リアル店舗の売り上げを伸ばすためのO2Oの取り組みの1つだ」。ユナイテッドアローズ事業支援本部でネット通販統括チームリーダーを務める相川慎太郎氏は、自社のネット通販事業の位置づけを語る。


相川慎太郎氏

ユナイテッドアローズの自社通販サイトは、09年9月に開始された。当初から、ネットで商品を販売するだけではなく、リアル店舗へ送客するO2Oも目的としていた。

通販サイトで商品を選択すると、取り扱いリアル店舗の一覧や各店舗の在庫情報が確認できる。この機能は、サイト開始と同時に始めた。

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