進化するO2O、ユナイテッドアローズの挑戦《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
「それぞれ客層が違う。ZOZOTOWN、マガシークなどは独自の特色がある。たとえばマガシークは、われわれがリアル店舗で出店していない商業施設に入っているブランドも出店している。リアルでは獲得できていない新しいお客様を取り込める」と相川氏は、多くの販路を持つメリットを語る。
ソーシャルメディアも積極利用
ソーシャルメディアの活用にもぬかりはない。
ユナイテッドアローズは、ソーシャルメディアの黎明期といえる09年からすでに、ソーシャルメディアを活用したO2Oの取り組みを始めている。
ユナイテッドアローズの展開する主力ブランドの1つ「グリーンレーベル リラクシング(以下、グリーンレーベル)」本部、副本部長兼販売統括部の部長を務める木村竜哉氏は、次のように振り返る。
「O2Oという言葉は、10年秋冬ごろからグリーンレーベルの事業で意識して使い始めた。当時マスメディアとソーシャルメディアを融合した『クロスメディアプロモーション戦略』を事業部内で考えていた。従来のマスメディアを使ったプロモーションを行い、FacebookやTwitterなどで拡散して、結果的にリアル店舗に集客するというもの。そのために『O2O』という概念を事業部内で浸透させる必要があった」
木村竜哉氏
11年3月、グリーンレーベルのFacebook公式ページを公開。11年の春夏には、「グリーンレーベルファン」というソーシャルメディアの投稿コンテンツを集約した自社サイトとFacebookページを連動させた販促施策を実施した。Facebookから自社サイトに誘導し、自社サイトでクーポンを用意、客を店舗へ導くという施策だ。
現在は、ソーシャルメディアを使った販促に関しては、原則的にマスメディア、交通広告など従来型の広告と有機的に絡めて取り組む戦略をとる。