進化するO2O、ユナイテッドアローズの挑戦《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

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ボトムアップで施策を展開

12年3月からは、リアル店舗の商品の在庫情報や価格をネット検索できる「Googleローカルショッピング」にも参加している。

「Googleという最大の検索サイトの結果にわれわれの商品情報が出れば、間口が広がり、新しい経路でお客様を呼び込めると考えた。もともと自社サイトに在庫情報を載せていたので、データの提供も新たな負担にはならない。1時間半に1回、新しい在庫情報を載せている」と相川氏。

さまざまな取り組みを見せるユナイテッドアローズだが、重要なことは「O2O」での全体戦略はないということ。トップダウンではなく、現場からのボトムアップで実行されてきたのだ。若い世代の現場からの発想。そこから策は生まれ、顧客ターゲットに合わせたブランドごとに適合した方法でビジネスを展開する。インタビューをした3人の担当者も30代半ばと、他社と比べて若手リーダーが活躍しているのが印象的だ。

ファッション業界ならではといえる取り組みが、「UAスタイルシェア」だ。これは、ネット上でバーチャルな試着ができるサービス。ソーシャルメディアとも連携しており、ユーザー間でお互いのコーディネートを共有できる。着用可能なアイテムは、1万5000点以上。実際にリアル店舗に並んでいる洋服や小物と同じアイテムを「試着」できる。iPhoneアプリ版もスタートした。

このサービスも、O2Oの流れの1つになっている。店舗とネット通販を併用する顧客の中には、事前にスタイルシェアでバーチャル試着をしてコーディネートし、めぼしい商品を見けておく人がいる。そして店舗や通販サイトに来店するというわけだ。

スタイルシェアは、グリーンレーベルの店舗でも、接客サービス用にテスト導入され、iPadを使ったコーディネートの提案などに利用されている。木村氏は、店頭での意外な活用例を話す。「たとえば、女性のお客様が、彼氏やだんな様など、男性に何か買いたいがイメージが湧かない場合にも利用される。従来は、販売員が代わりに着たり、持参した服と合わせてみたりしていたが、バーチャル上で提案できるようになった」

グリーンレーベルの事業では、今後はより進化したO2Oを意識するという。

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